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世界のアッチから

馴染みのないところから色々見てみよう、というブログ。かっこよく言うとfrom the other side。

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イラン=パキスタン "国境のハッタリ合戦"

仮面のおばちゃん

ペルシャ湾を走る

8月25日 9:50
イラン、ペルシャ湾岸の街バンダルアッバースからホルモズ島に渡るスピードボート。
この地方特有の仮面をつけたおばちゃんと、気温50度の中波に揺られて、
幻覚でも見るようなボーっとした頭で考えていた。

もうイランはいいや。早くパキスタンに行こう。

けれども、イランからパキスタンへ陸路で抜けるのは、ちょっと難しいルートだ。
イラン側の国境地帯スィースタンバローチェスターン州とケルマーン州は、
2007年の日本人旅行者誘拐事件などもあって外務省から待避勧告が出ている。
パキスタン側のバローチェスターン州もタリバンがうろついているので、
国境から州都クエッタまでの幹線道路よりアフガニスタン側は待避勧告だ。

今回の俺のルートでは、イランのバムからパキスタンのクエッタまで約1000kmを一気に駆け抜ける必要がある。

8月27日 6:30
バムの滞在先である宿まで迎えに来たパトカーに乗って、長距離バス乗り場へ向かう。

8月27日 11:30
国境手前の街ザーヘダーンで再び警察の護衛をつけて、国境行き乗り合いタクシーに乗車。
国境は13:00に閉まるから急げ、とせかされる。

8月27日 12:50
国境ミールジャーベ到着。みんなでダッシュ。
急いで出国スタンプを押してもらい、ゲートに駆けつけると、なんと閉まってる!

カラシニコフを持ったパキスタン兵がみんなを追い払っているが、
ゲートのすき間から入り込んだら、怒鳴られ蹴り飛ばされた。
もうイランを出国してしまったので、パキスタンに入れないとここで立ち往生する羽目になる。
そのことを兵士に訴えたが、相手にしてくれない。
"英語わかんねぇ。通りたかったら50ドル払いな。"

やばい。
こんな危険なところで夜は明かせない。
不利な状況を引っ繰り返すために話を大きくした。
一緒に来たパキスタン人から携帯を借りて、イスラマバードの日本大使館に電話し、状況を説明。
なんとか、そちらから国境職員に連絡して入れてもらえないか、とお願いしてみた。
この地方の管轄はカラチの総領事館だったようで、カラチのK氏から電話が入った。
"そこはまだイラン側のようですね。賄賂を要求しているのもイラン兵でしょう。
テヘランの日本大使館から国境側に連絡をとってもらうので、もう少し待っていてください。"

8月27日 15:00
大使館から国境職員に連絡があったようで、ここに唯一あるホテルに通された。
とりあえず身の安全は確保できたので、明朝ゲートが開いたらすぐに通過しよう。
しかし、このホテルはひどかった。
1泊7万リアル(700円)で蠅が飛び回り鍵のかからない部屋をシェアし、
水もほとんど出なかったからミネラルウォーターでトイレを済ました。

国境は檻の向こう
ホテルから外には出られない。

8月28日 8:00
国境ゲート開門と同時にパキスタン入国。
パキスタン側は総領事館からの連絡のおかげで歓迎ムード。
警察署内でクエッタ行きのバスが出るのを待つ。

8月28日 12:00
バスはまだ?と聞いては、もうすぐと言われ続けて4時間。
どうなってんだ!?と強い口調で問い質してみると、
バスは16:00に出る。さらに兵士が一人護衛で同行するので、
二人分の運賃1500ルピー(1500円)払え、と言い始めたお巡りさん。
さらに一人分は900ルピーと辻褄の合わないことを言う。
"冗談じゃない!こちらが護衛を頼んだわけでもないのに兵士の運賃なんか払えるか!
それに一人分は400ルピーだって知ってるんだぞ。俺はひとりで行く!"
国境の 町タフタンの広場まで来て尋ねると、やっぱり16:00発400ルピーだって。

犬のお巡りさん大集合
パキスタン国境の犬のお巡りさん。おしゃべりばっかでロクに仕事しない。

8月28日 15:00
暑い中バスの出発を待ち続けていると、犬のお巡りさんがやってきて、今日はバスは出ないと言う。
バス会社のスタッフも今日は客が全然いないから明日だ、と。

これで俺もキレた。

責任者出せ!ということで階級の高そうなバシール氏との会談に臨んだ。
ここは大きく出ないとね。

"私は日本の旅行者です。
今日私はあなた方が16:00まで待てと言うので、ずっと待っていました。
しかし今、私以外の客はいないのでバスは出ないという。
当たり前です。今朝一緒に国境を通過した人々はみんな午前のバスでクエッタに向かったのですから。
これは完全にあなた方のミスです。
今すぐ、警察車両で私をクエッタに連れていってください。"

"いや、これは私達のミスではない。どうか明日のバスを待ってください。"

"日本総領事館のK氏はご存知でしょう。
ここで私がどんな目にあっているのか、彼に報告しなければならないんですよ。
しかし、そんなことはしたくない。"

"わかりました。私が今日出るバスを探しましょう。"

結局、全てのバスが明日出発ということが判明。

"本当にバスがないことはわかりました。
また、私一人のためにあなた方の車を使うことができないのも、理解できます。
そこで、私は今晩眠るベッドとシャワーと食べ物を要求します。もちろんお金は払いません。"

"わかりました。では、私たちのカスタムハウス(つまり税関)に宿泊できるよう手配しましょう。"

やったー!!
タダで宿と飯を確保できた。言ってみるもんだー!

8月28日 17:00
税関の建物に入ると、冷たい水とビスケット、それにミルクたっぷりのチャイが出てきた。
チャイが泣けるほどおいしい。

やさしいハサン
さらに世話役のハサンがスイカをたくさん切ってくれた。

8月28日 19:00
日没と同時に、ハサンと彼の上司と三人でラマザンブレックファスト。

パキスタンのラマザンブレックファスト
サラダ、サモサ、野菜の天ぷらパコーラと、チキンカレーとオクラカレー。
2日ぶりのまともな食事が本当にうれしいし、イランと違っておいしい。
シャワーを浴びて、汗と埃で汚れきった服も洗濯できて最高の気分。

8月29日 9:00
夜中にバシール氏がやってきて、10:00発の列車に乗ることになったと告げられたので、
再び国境警察署で待つ。
が、やっぱ16:00のバスに変更、兵士の運賃も払って、と言い始めた。
いい加減にしてくれ!!

8月29日 11:00
待たされている間に、ちょっと面白いものが見られた。
この警察署には粗末な留置室が4つほどあって、
パスポートなしでイランに渡った不法就労者が20〜30人収監されている。
今日はどこか他所に移送するらしく、犬のお巡りさんがひとりずつ呼び出し始めた。
お巡りさんはひとりひとりの頭を掴んでしゃがませると、頭や肩を叩いて叱責している。

この叱責がなんというか、父親がいたずら息子を叱るように優しい。
"お前はパスポートなしでイランに行ったのか?うん?
ダメじゃないか、そんなことしちゃあ。"
叱られる方も、子供みたいなか細い声で言い訳をする。

慈しみをこめて、ひとりひとり叩いている姿を見て、
外国への不法就労はあまり悪いこととは思われてないのかな、と感じた。

8月29日 15:30
ついにクエッタ行きのバスに乗れた!

ひたすら砂漠を走る

ここから600kmの砂漠道をエアコンの効かないボロバスは走り続け、
9箇所あるというチェックポイントでは、毎回俺だけ降りてパスポートチェック。
汗ダク、ヘロヘロになって翌早朝クエッタに辿りついた。

あー、長かった。(ブログも)
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テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

コメント

10月1日から休みで暇なんだけど、インドあたりで合流しない?そのころどの辺りにいるの?上海からの直行便ある所で一週間ぐらい滞在できる所で待ち合わせしよう。俺、インドとかいった事ないし、中国語しか無理だから空港まで迎えに来て。取り合えずチケット取るので集合場所のご指示お願いします

  • 2010/09/05(日) 20:36:12 |
  • URL |
  • 高山不败败 #-
  • [ 編集 ]

>高山不败败 さん
おう、いいね!
10/1っていうと予定ではインド入国直後だから、
デリーで合流して一緒に遊べるかも。
でもねー、予定は未定よ。
パキスタンが今こんなんだから予定通りに進む保証は全くないのよ。
現に今だって、予定のルートを大きく変えてるし。
へたしたら中国(ウイグル)にいる可能性もある。
チケット買うの、10日後とかじゃイヤ?

返事はメールでよろちく。

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